Fieldearth

ここ数年Fieldearthの板に乗っています。

脊髄損傷してから右足が踏めず、昔のように全く滑れない葛藤の中で好きなライダーであるウエさんにFieldearthのumlaut(ウエさんが関わっているシリーズ)を薦められてちょっと試してみたら、一目ぼれ。

というか、左足一本で気持ちよく滑れたんですよ。
怪我する前より気持ちいいターンで。

そこから2年は自分で買って乗ってたんですが、もうこの板しかないなって思って、思い切って直接Fieldearthのボスである本村さんに連絡しました。
『自分にはこの板しかないので乗せてほしい』と。

何回かメールのやりとりがあった後、ボードを提供してくれることに。
今考えたら、いくらウエさんの存在があったとしても、会った事もない自分によく乗せてくれたなーと。。。笑

で、初めて本村さんに会ったのが1年後。

牛乳石鹸の協力で制作した、HYWOD以来初めての映像作品【REUNION】で、旭川を訪れて初めて直接会って話をする事が出来ました。

一言で言うと、スノーボードの変態。笑

自分が持ってないようなモノづくりの情熱に探求心、0から1にする行動力に、独特な価値観。
一瞬で人柄とブランドに惹きつけられた。

そこからまた時がたち、今年の1月に牛乳石鹸のムービー撮影で旭川を訪れました。

今回は初めて一緒に滑り、その中で色んな会話をして、色んな板に試乗。
そしてさらに新しい世界を見た。


左右非対称の板、スワローテール、スプリット、計5本くらいかな。

そして分かったのは3Dっていうのはこの形って決まりが無く、全て本村さんの頭の中で作られた立体的な感覚があって、全ての板の3D具合も違うし、さらに乗り味なんて本当に1本1本が全て明らかに違う!

これには驚きが隠せなかった。

今まで色んな板に乗ったけど、全て「あ~、なるほど、こんな感じか。」っていう感覚で、その乗り味を”自分の滑りに合わせる”っていう作業をしてきた。

でもFieldearthは全く違って、「え?何、こんな乗り味はじめてなんやけど?」っていうものばっかり。
そして何より違うのは、そのボードに自分の滑りを合わせるんじゃなくて、そのボードによって自分の形が面白いくらい変化する。

まさにボードあってのスノーボード。
自分がこんな滑り方出来るなんてっていう不思議な経験を短時間で何度もしました。
キャンバーとかロッカーとかじゃないんですよ。
もう今までに全くない、複雑な理論や感覚が入り混じった3Dっていう新しい概念のシェイプ。
今まで乗ったボードは全て2Dで、それに当てはまらない3Dっていうものすごい大枠。

さらにFieldearthのボードは全てセットフロントなので自分の身体でも前足に頼ってしっかり踏める。
パウダーでも後ろ足踏んでノーズ上げるんじゃなくて、前足を踏んでも常にエッジじゃなく面が接してて埋まる感じじゃなく切り裂いていく感じで、重たい雪でも全く気にならない操作感。(これは本当に今まで味わったことのない感覚)
とにかくエッジじゃなく面で滑るのから速い速い。

おそらくこの先に他のブランドが3Dのボードを作ったとしても、この領域には到底到達できないと思う。
それほどのスノーボードの深淵に触れた気がしました。

本村さんとの思い出に残るセッション。気持ちの良いラインが描けた。

今までの自分の中でのスノーボードの概念が大きく変化した2日間。
この秋に公開になる新しいムービーで見て頂けると思います。

まだ3月にも撮影は続き、今年は昨年とは違った滑りとストーリーをお見せできると思います。

まさか、右足が動かなくなってこんなに楽しくスノーボードが出来るなんて思っていなかった。
この出会いに言葉では表せないほどの感謝をしています。

人生何が起きるかほんとに分からないね。

トリップの最後に顔を出した旭岳。まさに宇宙を感じられる瞬間でした。