未分類

帰国とその後の予定

病院の関係者、保険会社、現地通訳の方、チームのサポート、他にも多くの協力者のお陰で、ふとしたらメンタルを持っていかれそうな環境下ですが、なんとか生きています。

毎日、起きては仕事したり、考え事したり、しんどい時はただただ1秒1秒を過ぎることすらが辛く感じますが、弱い自分に切り替える方法はなく、「耐える」という事を頑張っています。
ずっと強く、穏やかでいたいと思う反面、弱い部分も見えてきて、どうしても顔をのぞかせようとします。
そして、それをねじ伏せられるほど強くもないので、結果葛藤し続ける。と。

ただ、確実に8年前とは違うし、言ってはいけない言葉は胸にしまい、出来るだけ優しくありたいと心がける努力はできている気もします。
この絶望や苦痛が自分を成長させると信じています。

ベッドに座ったままのデスクワークは少し体勢的にしんどい

そして帰国のプランも決まりました。
28日にこっちを出て、29の夜遅くには到着。
ただ、その後すぐに、8年前に脊髄損傷した兵庫県立リハビリテーション病院に入院し、そこから検査、再手術を検討し、足がつけるようになるまでは数か月入院になりそうです。

これにより、いけない場所や、参加できないイベント、仕事にも制限がかかってしまうので、多くの方に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
本当にごめんなさい。

当然入院中は面会も禁止だし、色んな事に制限がかかります。
ただ、全力で対応し、怪我にも今の100%以上の努力で取り組むつもりですので、何卒見守って頂ければ幸いです。

とにかく帰国まであと1週間弱。
出来ることをやります。

空元気ですが、それでもなんとか

スペイン世界選手権での怪我のご報告

3月12日に行われた今シーズン最終戦、スペイン世界選手権でのチームクロスのセミファイナルのレース中に右足の脛骨腓骨を粉砕骨折する怪我を負いました。
現在はバルセロナの病院にて手術、治療中です。

レントゲン写真

レースではどうしてもこなせないトゥサイドのバンクがあり、何度もイメージし、最善の状態で挑んだつもりでしたが、プレッシャーに右足が耐えられずにひざ崩れを起こしてしまい、そのまま吹っ飛んで板をぶつけたときに、全く筋力のない麻痺側の右足が折れてしまいました。

怪我した時にはすぐに、今後を揺るがす大けがをした事を感じとったし、
脊髄損傷をした時を鮮明に思い出し、無力さと悔しさで頭が真っ白になりました。

ヘルメットも全身のプロテクターも、サポーターも、すべてつけ、体も鍛え、ストレッチも行い、「怪我だけは二度としない」という強い想いで脊髄損傷後やってきました。
滑りも自分のコントロール下で滑ってきたつもりです。
怪我後は絶対に無謀な攻めはせずに、何回も石橋をたたいて渡ってきました。
それなのにひざ崩れが起きて、一発でこれかよ、と。

今はもう怪我後10日以上過ぎたので少しは頭が回るようにはなってましたが(記憶はぼんやりしてますが)、それでもまだあまりこの状況に現実味がなく、この先どうなるかもハッキリ分かっていない状況です。

ですが、何とか生きてます。

何にもない病室にて

そもそも自分はあまり心が強いほうではありません。

強くなりたいから、自分をそういう環境や立場に置くことで、そうなれるように努力し続けてきました。
嘘でも続ければ、それが本当になると信じてやってきた。

だからこそ脊髄損傷した後に、「死にたい」と思ってしまった、家族にも言ってしまった、その弱さを克服するためにここまで8年間やってました。

でもやっぱり自分は弱い。

何も変わらない病室での景色。
スペイン語しか通じない場所。
ずっと同じような病院食。
会いたい人に会えない。
ネット環境も悪く、あまり娯楽もなく、
ただ痛みをこらえて、マシな時に出来ることをして、
ただただ1人で、とにかく時間が過ぎるのを待つ。

たったこんな事が、こんなにも苦しいことだと思い出し、普通に生活できる事のありがたさ、幸せを、今まさに再び痛感しています。

最近は、本当に忙しく、心をなくす時もあり、他人にはあたらずとも、自分の中での心の消化が間に合わず、スノーボードも疲れで心から楽しめないこともあった。
8年前もそうだった。充実すればするほど忙しくなっていく。
どうして人は同じ過ちを犯すんだろう。

そうベッドの中で自問自答しています。

ただ、もう8年前とは違い、自分も成長しているし、たくさんの支えてくれる仲間もいます。
だから自分は強くありたいし、この怪我を無駄にはしません。

足を地面に付けるだけでも3ヶ月かかる今回の怪我で、スノーボードに戻るにはさらに長い時間が必要だし、目指していたイタリアパラにも間に合うかもわかりません。
そもそも今のまま順調にいけばメダルが見えてくるだろうか、というような綱渡り的なレベルであった事も現実です。

まだまだ、自分の中でも答えは見えませんが、
とにかくもがいて、
心を強く、穏やかにもつ。

ただそれを皆に少し甘えながらも、日々繰り返していこうかと思います。

すでに色んな方々に迷惑をかけましたが、これからも迷惑をかけると思うと、本当にたくさんの方に申し訳なく思います。

中々人生は上手くは行きませんが、絶対に進むことを諦めない。

応援してくれる皆さん、本当にすみません。

そしていつも本当にありがとうございます。

執刀してくれたDr.Campilloと
部屋からはカンプノウが。この綺麗な景色だけが救い。


COWDAY FILMを終えて

2回目となるオンラインのスノーボード映像アワード”COWDAY FILM2022”が無事終わりました。

大阪のストーリートイベントがコロナでキャンセルになり、オンラインで時代に合わせた大会を行えないか、という想いで始まったCOWDAY FILM。
今年からはFIS大会となるCOWDAY SLOPEとの年に2回の開催になり、樹を中心としたCOWDAY TEAMも少しずつ成長してきました。

元々28歳の時に、自分がしたかったことは”表現”だという事に気がつき、大会を引退してHYWODやNO MATTER BOARDという映像表現に打ち込むようになりました。
その時から比べるとDVDが無くなっていき、SNSが主流となり、『作品』という形での露出は少なくなってきたように感じます。

海外ではマックダウ、スタンダードフィルム、アブシンスフィルム、アイセンセブン、、、、日本ではREDEYE、セブンサムライ、SCLOVER、FC、車団地、様々なクルーが芸術的な作品や独創的な作品を作り、スノーボーダーたちの毎年の楽しみとして、個性を競い合ってきた時代がありました。

そもそもスノーボードって点数をつけるものじゃないんですよね。
個性を磨き、見せ合い、リスペクトを生み出す遊びなんです。

だから、その本質的な意義が少しずつ薄れて行き、映像のあり方があやふやになってきてたタイミングだからこそ、このイベントを開催する意義があると思いました。

当然コンテストなので、そこに点数は存在するのですが、正直入賞した作品はどれも素晴らしいものだし、入賞していない作品も心に響くものが多数あります。
ただ、問題は『どれだけ突き詰めた表現ができるのか』これにつきます。

今回は、昨年フリースタイルで4位だった島方くんの作品が、まさかここまで個性的な上、映像作品として洗練されたものになって帰ってくるとは想像もしていなく、かなり心を動かされました。

このインスタグラムの投稿を見ても、頂点を取ったことに喜びを感じてもらい、仲間たちと祝勝会を行ってもらえるだけで、自分たちがこのイベントを企画した意義が感じられます。

フリーライドもWomensが大活躍で、賞を総なめ、映像表現に男女の差は無いと感じさせられました。

今回の大会は、ほぼ自分は運営に関与していません。
COWDAY TEAMを率いる稲村樹が、自分より若いメンバーをまとめ上げて、1から作り上げました。
このイベントのアウトプットはまだまだ工夫が必要だし、価値を高めて行けると感じていますが、メインの中継のクオリティはイメージしているものに限りなく近いものでした。
大会を開催するのは、物凄く体力や時間を使うし、赤字になるリスクも付きまといます。
その中で、若い彼らが、必死に開催する意義を考え、価値を生み出し、多くの人を巻き込んだことに純粋に感動を覚えます。

今後、COWDAYが新しい感性と力でより面白いイベントになり、映像を生み出し、スノーボードの”表現”という分野で、皆をワクワクさせることが出来る様になることを願っています。
是非みなさまも今後の彼らの動向を見守って頂ければ幸いです。

そしてまだまだ世の中にはここに参加していないトッププロたちがいるので、その皆が参加してもらえる様に価値を高めていきたいですね。

一気に気温もさがり、まだ10月だというのに冬の匂いがする今日この頃。
シーズンのあんなことやこんなことを想像するだけでワクワクが止まりません。

皆さまも何か1つ目標を立てて、来る冬を楽しんで頂けたらと思います。

AWRD LIVE